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女性向け古キョンサイト・原作者様その他との関わりはありません・R18
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ハイスペック古泉1
やべえええええええ今日も後藤さんが可愛すぎる…

何だか良くわからない古キョン不倫話の一話だよ!!おいおい続くよ!!

 何を飲んでも泥水のような味がした日々があった。今は何をしていても、僕の体に蓄積された泥が吐き出された結果にしか思えないのである。
 高校を卒業すると同時に、涼宮さんの能力は失われた。当然僕はお役御免となったが、機関は存続し、何かにつけて僕やその他の超能力者のパトロンになっている。朝比奈みくるは僕達の卒業と同じくして未来に帰った。とは言えある程度自由にこちらと行き来出来る地位になったらしく、時折顔を見る。長門有希は我々と同様、大学へ進学した。依然として対有機生命体用コンタクトインターフェースとしての存在なのかは知った事ではないけれど、摩訶不思議な力を使う事はなくなった。
 そして彼は、涼宮さんと交際を始めた。
 大学生生活は、自分がまだ夢見ていた頃に好きだった天文の勉強も出来たし、選択の自由があった。それでも、四年間のちりちり焼けるような苦しみは消えず、僕につきまとった。念のために、と機関に彼らと同じ学校にさせられたのは機関の最悪な置き土産だ。
 SOS団はいまだに存在し、あっという間に四年は過ぎていった。僕達が社会人になる時が来て、それから二年が過ぎた。

 暖かい陽気の、春の事だった。
「今日皆に集まってもらったのは、不思議を探すためじゃないわ」
 よく全員で集まった喫茶店で唐突に涼宮さんが発した言葉に彼が何か特別な反応を示さなかった時点で、嫌な予感はした。数えて24歳になる彼女はすっかり大人の女性になり、続けた。
「あのね、あたし、今年の夏にキョンと結婚する事になったの」
「わぁっおめでとうございますぅ」
 目をきらきらとさせて朝比奈さんがそう言いながら、僕は目の前が真っ暗になる気分がした。分かってはいたけれど、気持ちが追いつかない。
「そん位で良いだろハルヒ。どうせ招待状とかでおいおい言うんだから…」
 照れくさそうにする彼を見たくなかったから、目を逸らして不自然にならない程度に目の前のアイスコーヒーの水面を見ることに専念した。そこに映る長門さんと目が合うのも避けようと、ストローでかき混ぜた。
「古泉君の住所は分かるんだけど、みくるちゃんと有希の今の住所が分からないから正確なやつをあたしにメールで送ってちょうだいね!!」
「あ、今しますね」
「私も」
 女性三人は携帯電話を取り出して楽しそうに(それこそ長門さんでさえ)会話を始めた。必然と僕は彼と話をする事になる。お前さ、と彼は気さくに話し掛けてきた。
「本当歳食わないっていうか、老けないよな」
「あなたがそんなに素直に褒めて下さるなんて、珍しいですね」
「お前を僻む事はやめたんだよ。顔面偏差値について喚くのは不毛だと聡明極まりない俺は気付いたからな」
 高校生の時から何ら変わりのない彼の憎まれ口につい笑ってしまう。それに不満げな顔をする彼に僕はまた苦しくなる。もう彼は、彼だけのものではない。
「朝比奈さんも長門もなかなか会えないからさ、お前位は頻繁に顔出せよ」
「新居の方はどちらに?」
「この喫茶店のすぐ近くだ。別に無理して東京に出ることもないしな。お前んちともそんなに遠くないし」
「それは、良かったです」
 僕たちは立派な大人で、いくら自分が違った考えをしていてもそこには大人の対応というものが存在する。幸い、かつ生憎僕はもう十年以上も前からそれを叩き込まれていて、すっかり体に染み込んでいたから取り繕うのは難しい事ではなかった。
「僕の訪問の際には、歓迎して頂けると幸いです」
「そうだな、ハルヒはそら喜ぶだろうよ。それに俺だって悪い気はしないさ」
 そんな事を言われたら、ますます行けなくなってしまう。

 実際、二人を失望させても、僕は彼らを訪ねるべきではなかったのだ。
 後になってからこんなにも痛感するなんて、僕は本当に、馬鹿だ。

つづく


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