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女性向け古キョンサイト・原作者様その他との関わりはありません・R18
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最上の命医が









・西條てんてー32歳…熟れ時…じゅるり
・まさか伊達眼鏡を忍足意識なんてそんな事はないよね!まさかね!
・次回予告の工…わたくし工の裸とか工お得意のBL映画かと…

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ハイスペック古泉8

やっと終わったわ!

古キョン不倫話8話↓

 2ヶ月が過ぎ、涼宮さんから絵葉書が届いた。鮮明な印刷で壮観な海を拝見に、涼宮さんを中央に、両隣には白人男性と黒人女性がが一人ずつ写っていた。涼宮さんは現在、世界的な福祉団体に入り、色々な国を飛び回っていて、写真の二人は中でも親しい二人らしい。
 僕たちはベッドの中で、裸のまま葉書を読んでいた。一緒に暮らして、毎日ではないけれど沢山セックスをして、休日には出掛けてみたりして。これ以上は、飽和状態を保てなくなってしまう。
「ほお…ハルヒらしいな」
「おや?」
「どうした?」
「見て下さい、これ。PSの所」
「ん…長門から何か手紙が来るのか」
 『近い内に有希から便りが行くと思うから宜しくね!』とそこには書いてあった。長門さん。一体何なのか心当たりもない。日本に、しかも同じ県にいる筈の長門さんからわざわざ郵便で来るという事は書類系か何かなのだろう。
 それでもすぐに気にならなくなって、僕たちはまたセックスに没頭した。彼はセックスを重ねる毎に僕を誘惑する手法を覚え、これ見よがしに実践してくるものだから僕も吸い取られないように彼を何度も犯すように抱いた。

「郵便…長門さんからだ」
 予定より早く仕事から帰って、郵便受けに封筒が入ってるのを見つけた。そのままになっているのだから、彼はまだ帰っていないのだろう。一般的な封筒より少し大きめなそれは事務的な雰囲気で、それが長門さんだからなのかそういう内容だからなのか分かりかねた。
 宛名が僕たち二人になっているから先に開けてしまうのも野暮だろうと、とりあえずはデスクに置いておく事にした。
 そう言えば暫く長門さんに会っていない。最後に会ったのは涼宮さんと彼が結婚してから5人で遠出をした時だ。朝比奈さんともそれから連絡を取っていない。未来にいる彼女と連絡を取る手段が無いわけではない(意外にも普通に電話もメールも繋がる)けれど、これと言って特別な用事も無かった。僕たちの事は涼宮さんから話が行っているだろうし、彼女は僕と長門さんを少しばかり苦手視していたからわざわざ僕から連絡する事もない。
「古泉、先に帰ってたのか」
 気付いたら彼が鍵を開けて帰って来ていた。僕はどれだけ瞑想に浸っていたのだろう。
 彼は背広のジャケットだけ脱ぎ、ネクタイを緩めて僕の手元を覗いた。
「長門から…?ああ、この前ハルヒが言ってたやつか」
「開封してみますね」
 厳重に糊付けしてあったため、鋏で開封する。何枚かで重なった紙が二束あり、長門さんからの手紙だと思われる方を先に開いた。そこには長門さんらしい簡素な、それでも昔よりはずっと心の籠もった挨拶がしたためられていた。それから、それ、から
「…養、子…?」
──涼宮ハルヒの提案。二人のどちらかが里親登録をして、養子を取るのはどうか、と。彼女は、あなた達の両親に形だけでも孫を、と考えている。
 日本だけでなく、他の国の様々な養子制度についての説明が、綺麗過ぎる位の楷書体で至極分かりやすく記述されていた。頭が痛くなって来た。つい、手紙を取り落としてしまった。
「大丈夫か、古泉?」
「すい、ません…」
 心臓がいたい。肺が詰まって、気道が確保出来ない。鼓動がどんどんと速くなって、真っ直ぐとした姿勢が保てなくなる。
 こども。
 よく、分からない。愛し方が、分からない。
「しっかりしろ、おい古泉…」
「涼宮さんや長門さんが、僕たちの…為を思って、こういった事をしてくれているのは、分かっているんです…それでも、」
 彼が背中をさすってくれている。僕は前屈みで口を抑えていなければ、吐きそうな気分だった。何を吐くと言うんだ、昼はあまり食べていないのに。たすけて、おかあさ、──誰だ?
「古泉落ち着け、焦らなくて良いから」
「はあ…は、あ、はあ…」
「落ち着いて、深呼吸をしろ。ん?」
 彼が、僕がデスクに置いたままの封筒から、一枚の小さなメモを取り出した。何か、別件のものらしい。
「住所…?」
 彼はそのメモをふと裏返し、驚いた表情を見せた。
「古泉、これ…」
「…!これ、は僕の、両親の名前、です」
 メモには涼宮さんの文字で僕の両親の氏名と、表には彼らのものと思われる住所が記されていた。昔僕が普通のこどもだった頃に住んでいた場所とは全く違う県の、全く違う場所。当たり前だ。頭のおかしくなった僕が居なくなったからと言ってあの場所に、ずっと住んでいるはずがない。
 今更、どうしろと言うんだ。
「明日、行ってみよう」
「何故今更、会えるはずもないのに…」
「お前がしあわせを怖がってる根源は、これだろう?明日、終わりにして来よう。養子とかそういう事は、それから考えれば良い」
 メリーゴーランドだ。物凄い速さで廻り巡り、僕の内臓が追いつかない。
「でも、」
「もし、お前の親御さんに会って、どんな結果になっても俺はお前を見捨てたりしない」
 僕は彼を抱き締めて、何も言わずに涙を流した。

 翌日、僕は今までになく憂鬱な気分で目を覚ました。それなのに何処か高揚していて、吐き気がうっすらと残っている。
 何を着て行こう。僕が家を出た時と同じ、中学校の制服を着てやろうかという考えが脳を過ぎったけれど、それには僕は年を取りすぎた。無難にジャケットにしよう。今までも、そんな格好をしていればそれなりな見てくれにはなった。
 十年以上も会っていない僕を見て、どんな反応をするのか。それ以前に僕だと気づくのか。
 何と、恨み言を言ってやろうか。
「もう用意したのか」
 彼が目を擦りながら起きて来て、眠そうな声で言った。昨夜も、彼を抱いてしまったから仕方ない。そうしなければ、何か、分裂してしまいそうだった。
「今度は、俺もちゃんとした格好していかないとな」
「あなた、楽しんでいませんか?」
「ある意味お前の新たな門出になるんだ、当たり前だろ」
 その笑みは、昔妹さんによく見せていたものに似ている。
「俺も責任、持たないとな。お前があんなに土下座までしたんだ。来る所まで来ちまったんだし俺もお前の人生に責任を持つよ、古泉」
「僕、は」
 腕時計を、両親が中学校の入学祝いに買ってくれた腕時計をつけている方の手に暖かいものが触れた。彼の手。高校一年生の時に、初めて触れた。
「もしさ、親御さんがお前に酷い反応とかしたら、お前落ち込むだろ。そうしたらどこかの海にでも行こうぜ。その位の覚悟は、ある」
「その時は、海外の綺麗な海が良いですね。一度、涼宮さんに会っておきたい」
 しあわせだ。この部屋を出たら、どうなるか分からないけれど、どちらに転ぼうと確かに僕はしあわせだ。
 だから最後にもう一度だけ、
「ありがとう、──」
 彼の名前を呼んだ。


おわり



おや…
ピースだけならずノブコブまで最近テレビによく出てるだなんて…寂しい…本当に寂しい…
8105め分け目を変えたからか…サイコさまが全然喋らなくて腹いたい
ハイスペック古泉7

古キョン不倫話の七話↓


 僕がまるで、赤紙を受け取ってしまった学生のような悲壮感漂う顔をしているのだと彼は正反対の、それは愉快で仕方がないとでも言いたげに笑って指摘した。
「なんでそんなガチガチになってんだよ」
「だって…あなたの一生を決めてしまいかねない事ですよ?はあ…」
 4日にあの話をして、次の日涼宮さんと彼は離婚届を西宮市役所に提出した。そしてその週の土曜日に、僕は彼を自宅に呼んでから彼の実家に行く支度をしている。彼は実家に帰るだけだから(いくらそれが離婚して男を連れて帰るためとは言え)、ラフな格好で良いだろうけれど、僕はともすれば魅力的な女性と結ばれ、まともに結婚生活を送っていた彼を寝取ったゲイとレッテルを貼られても仕方がない訳で、それなりに支度をしなくては、いくら彼のご両親が納得したと涼宮さんが言っても示しがつかない。
 彼は、僕がデスクの上に散らかしっぱなしにしていた小分けのコンドームを袋のまま弄りながら携帯の画面を眺めている。
「お待たせしました…」
「ああ、行くか。どっちの車で行く?」
「僕が車を出しますよ」
「お前のプリウスに乗るのも久し振りだな。ん、」
 僕の方に近付いて、彼は僕のジャケットの襟を掴んだ。
「ネクタイ、曲がってる」
 ネクタイを直してくれる彼の手つきが、酷く好きかもしれない。こうして僕は、きっと次第にだらしない人間になっていくに違いない。いつかは副団長で優等生の古泉一樹など見る影もなく、昔居た甘ったれて弱虫で臆病な古泉一樹が顔を現すのだろう。
 僕は車と家のキーをポケットに入れ、財布と彼の家へ持って行く手土産を手にとり革靴を履いた。戸締まりをきちんと済ませた事を確認して、家の中を見回せば、何だかとても心が整然とする。
 慣れた様子で助手席に乗り込む彼。彼を抱いた朝は、こうして僕が車を出して彼を職場まで送り届けるのだった。
「何で車黒にしたんだよ。お前何か白かシルバー買ってそうなのに」
「自分の選択の自由で買えましたから、好きな黒にしました。僕、これでも黒だとか濃い色の方が好きなんですよ」
「そういえば高校ん時どぎつい赤の携帯使ってたな。だが黒だと汚れが目立たないか?」
「洗車しに行くの、好きなんです」
「何で俺と被ってんだよーお前が行く時に一緒に行かないといけないだろ」
 顔を背ける彼が可愛らしい。どうしよう。ずっと前からこんな関係だったのではないかと、おこがましい錯覚までしてしまう。胸焼けが、する。氷鎖はきっとまだ切れていないのに。

 僕のマンションから彼の実家までは車で15分の所にある。高校生の頃から何度もお邪魔したそこには、近所の他の一軒家よりもアットホームさを醸し出し、僕にとっては大層な心地よさと歯痒いこそばゆさのアンビバレンスを提供する。
 駐車場には彼のご両親の車が二台停まっているからそこに車を頭から入って車体の中程まで入れて停めた。僕がトランクから手土産を取り出している内に彼は家の呼び鈴を鳴らしてしまった。中から出て来たのは彼のお母様で(妹さんも確かもう二十歳位だ、家にいなくても不思議ではない)、僕と彼の姿を認めると柔らかい態度で家に迎え入れてくれた。
「ただいまー、親父は?」
「お父さんならリビングよ。お母様もコーヒー煎れたら行くから二人は先に行ってて」
「お邪魔致します」
 リビングのL字型のソファには彼のお父様が座っている。昔に二、三度会った事がある。確かに年は召されたけれど相変わらず平凡で温和そうな男性だ。彼にはお父様の面影がある。挨拶をした所座るように促されたので、彼と隣り合って、お父様とは違う辺の方に座った。暫し沈黙の後、お母様がお盆を持って戻って来た。彼女はお父様の隣に座り、コーヒーカップを4人の前に並べてから腰を据えた。
 一般家庭だ。
 年を取っても、たまに会った家族でも、それは紛れもない家庭の有り様で、そこに僕はいらない。
「申し訳、ありませんでした」
 僕は誰かが何かを言う前に、ソファから腰を上げ、フローリングの上でご両親に土下座をした。頭を床に付けて出来る限りに低くなる。彼らの顔は見えない。見えなくていい。
「僕が、全ていけないんです。息子さんも、涼宮さんも、僕が、」
「古泉君…」
「ご両親が仰れば僕は二度と彼の前に現れません」
「古泉!」
 彼が咎める声音で叫んだ。
「けれど、僕は本気で彼を、愛しています」
 誰かが唾を嚥下する音だけが聞こえた。
 意気地無しで、後ろ向きな僕の恐らく最後の告白。せめて彼にだけは届いていれば、良い。始めからしあわせになるなど出来ないのだと、諦めていた。やっと感じられるようになったしあわせが、僕には有り余るものに思えて、それをどうして良いか分からない。きっと一生、余剰していく。しあわせは、貯蓄出来るものなのだろうか。
「ハルヒさんが、先日古泉君の話をしに来たんだ」
 彼のお父様が、僕を見て言った。やはり、目が似ている。目の奥の色が似ている。
「きみは、ずっと独りだったんだね」
 彼は、彼らは、純粋だ。人のしあわせも妬み僻む事も、かなしみに同情を乞う事も知らない。知らないから、他人に敏感でいる事が出来る。何につけても僕とは違う。
「うちの息子は、きみの真っ当なしあわせに相応しいかい?」
 真っ当なしあわせ。それが一般論のテンプレート基準のしあわせという意味でない位僕にも理解出来る。あの泥水の如き毎日から僕を引き上げてくれたのは紛れもない彼だ。
「僕は十分過ぎる程のしあわせを、彼から頂いています」
「息子は頭が特別良いわけでもないし、めぼしい特技があるわけじゃあない。良くも悪くも平凡だ。それでも、人一人をしあわせに出来る事を、誇りに思うよ」
「ありがとう、ございます…」
 僕はもう一度床に頭を付けて、ご両親に礼を言った。

 その日は彼と二人、外で食事をして早めに僕の家に向かった。
「俺、あそこのマンション引き払ってこっち来ようかな」
「是非そうして頂けると僕も嬉しいです。この部屋も、一人だと余ってしまいますし」
「なら次の休みにそうするわ。忙しくなるな」
 玄関先で彼が僕に抱きついてきたので、彼の頭を掴んでキスをした。それだけで、勃起してしまいそうな位の官能が僕の全身の神経を巡る。項から薫る少し汗ばんだ臭いでさえ興奮材料の一つで、僕は彼を連れてベッドに急いだ。
 玄関でも良いのに、と彼は不満げな目をしたけれど、玄関ではセックスを朝まで出来ない。
「古泉、お前、しあわせか?」
「しあわせですよ。しあわせ過ぎて、」
 しあわせが、どうしようもなく、怖い。


つづく


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