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女性向け古キョンサイト・原作者様その他との関わりはありません・R18
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ハイスペック古泉5
昨日見たスポーツ王決定戦の高橋大輔が天使過ぎてつらい…高橋大輔と小塚がジャスティス…


古キョン不倫話の五話↓
まだ続くという…

 その後僕は、決して少なくはない数のセックスを、彼女とも彼ともした。セックスをするのは決まって相手がその連絡をしてきた時だけで、彼女とはラブホテル、彼とは自宅と決めていた。二人ともよもや不倫相手が自分の妻そして夫とも不倫しているなどとは思わないから、僕は知らず知らずの内に今までには考えられない程の頻度の性交渉に携わる日々となっていった。元々会社は機関の息が掛かった所だから平日の彼女の要求に応えるのは造作もないし、彼の僕の家への来訪が多くなった事について彼女は「二人が仲良くて結構だわ!!やっぱり男の友情ってこうじゃなくちゃね。高校の時は何だかどこか距離あるみたいで心配だったのよ」と仰った。
 僕は彼とセックスをした後、余韻に浸りながら他愛もない会話を楽しんでいた。セックスの、しかも不倫後の会話とは思えない程下らなくて、それこそ男の友人同士の会話。それがどうしようもなく居心地が良い。
「あのさ、今度のGWってお前休みか?用事とかある?」
「休暇を頂いていますよ。予定は特にありませんが」
「4日にハルヒがうちで食事しないかって言うんだがどうする」
「構いませんが、なぜそのような?」
「4日がお前の誕生日だからってさ」
 感謝の気持ちととんでもなく申し訳ない気持ちが一度に生まれた。最近の僕はよく葛藤に悩まされるようだ。
「何か映画のDVDでも見ますか?それとももう一度セックスします?」
「お前が何の映画を提案してくるのかによるな」
「オーソドックスにターミネーター2なんてどうでしょう」
「はい残念ーターミネーター2は俺も五回は見ましたーはいセックスー」
「ではジョン=コナーの今後を議論しながらセックスで如何ですか?」
「馬鹿ジョン=コナーは科学者かなんかになってドラえもんフラッシュ版最終回ののび太みたいになるってもう決まってるんだ。だから、俺に集中しろ」
 命令口調の彼の言葉に苦笑しながらベッドの布団の中で彼の下半身を弄った。彼は思っていたよりずっと淫乱で、僕がそれに嵌っていくのは自分で一番分かっていた。

 家での食事だから、逆にあまり堅苦しい格好をしない方が良いだろうと、僕は比較的カジュアルな服装をした。待ち合わせは7時で今は6時50分。インターフォンを鳴らすには丁度良い時間であるはずだ。GWで出掛ける家族が多いのか、世帯持ちの多く住んでいるこの賃貸マンションに人の気配はいつもより少ない。
「あら古泉君、お誕生日おめでとう!!」
「もう25です、そろそろおめでたくなくなってしまいますね」
「何言ってんのよ、誕生日はいつでもおめでたいものよ。人間がキリストの誕生日をいつまで祝ってると思ってるの?」
「仰る通りです」
 玄関先でいきなり祝福の言葉を言う涼宮さんに彼女らしさを感じてつい笑ってしまう。靴を揃えてから部屋に上がり、リビングに行くとダイニングテーブルには涼宮さんの手作り(料理はそつなくこなせる彼も手伝わされたに違いない)の料理が沢山並んでいた。これを僕の為に用意してくれたのかと思うと、胸が熱くなる位には僕も人の子だ。「今日は古泉はお誕生席だからな」と彼が言うので僕は涼宮さんがSOS団がいつでも集まれるようにと買った大きめのダイニングテーブルの、いつもは涼宮さんが座る場所に落ち着く。そして僕から見て左側に手前から涼宮さんと彼が座る。右側には朝比奈さんと長門さんが後から来るのだろうか。
「7時前だし長門も朝比奈さんもまだ来てないけど、とりあえず何か飲み始めておくか?」
「有希とみくるちゃんは来ないわよ」
「え?」
 彼が意表を突かれた顔をした。何も聞いていない僕が驚いたのだ、彼はもしかしたら二人が来ると涼宮さんに言われていたのかもしれない。
「あたし二人に話があるのよ。深刻だけど、暗い話にしたくないからこういう雰囲気にしておいたの。古泉君の誕生日を使った事は先に謝るわ」
「それは全く構わないのですが、話とは…?」
 意味も無く、嫌な予感がした。閉鎖空間が発生した時のあの感覚と酷く似ている。口の中が渇いて、冷や汗が流れそうな背筋の寒さ。
「ねえキョン、」
 それはまるで、
「あたしたち別れましょう?」
 酷く甘美な響きだった。

 いつも非常識な状況に置かれてもどこか冷静な彼が、心の底から驚いた顔になる。未練がましく理由を問い詰める事はしないけれど、「なん、で…」とだけ洩らす。それに、涼宮さんは“二人に”話があると言った。涼宮さんの中で僕に一体何があるのか、検討がつかなかった。
 涼宮さんはどちらかと言えばプラスの感情を抱いた表情で言葉を続けた。
「ごめんね古泉君、あたし、キョンの事ずっと独占してたよね」
「そ、れは…一体?」
「あたし知ったの。古泉君は本当はキョンが好きで、キョンは古泉君が好きなんでしょう?」
「どうして、そのような考えに?」
「始めは何となくだった。結婚式の時も、ここに遊びに来る時も、古泉君はそういう時に限って歯切れが悪くなるなって思ってた。でも最近仲良くしてる二人を見て普通に嬉しかったわよ、だけどあれ?って思って有希に相談してみたの。そしたら有希が渋々だけど教えてくれたわ。二人はそういう関係になったんだって、」
「違いますよ」
 一度でも喜んでしまった自分を僕は恥じた。僕は知ったのだ。これが僕の身を退くべき時で、僕は今まで身の程を超えて我が儘を通していた子供だった。どんなに彼を傷つけようとも、肯定だけはしてはいけない。
「勿論彼とは転校生の僕が親しく頂いたという点では非常に感謝していますが、僕はれっきとしてノーマルな性癖ですし、」
「古泉」
「彼の事はそういった目で見た事はありません。それに今、結婚を前提に交際をしている女性がいるんです」
 彼が酷く絶望的な顔をしたのが横目に見えた。僕はそれを黙殺して、彼女が明るい言葉を発するのを今か今かと待った。
 彼女が笑った。


つづく



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